⑩糸島レンタサイクル(一般社団法人 糸島市観光協会)
環境にも優しい乗り物で、糸島の風を感じてほしい
JR筑前前原駅前に糸島市観光協会の事務所があります。糸島市と言えば豊かな自然で知られますが、それを満喫してもらおうと自転車や電動アシスト自転車・電動トゥクトゥク(タイ発祥の三輪自動車)などのレンタルもおこなっています。
「いとしまレンタサイクル」は2時間900円、4時間1,400円。糸島市内8か所に貸し出し場所が点在しているため、公共交通機関と併せて利用することができ便利です。メリットは、まず風を感じることができること。渋滞も関係なく止めたいところで止められます。環境にもやさしいだけではなく、健康増進にもなり、自分自身にやさしい乗り物です。
観光協会スタッフの秀峰さんによると、「お客様は海沿いのカフェや牡蠣小屋などをイメージして来られます。モデルコースもありますが、行きたいところに行かれていますね。糸島は10km圏内に観光地があるので、ちょうどいい広さです。『海がきれい』『目的を達成できた』など、好評を博しています」。
同観光協会は地元の一般社団法人イドベタが企画した、環境に配慮しつつ、糸島の自然や文化を体感できるサステナブルツアーも連携して実施しています。
昭和レトロな前原商店街で、気になるお店をチェック
「いとしまレンタサイクル」の利用客は、協会で説明を受けたらスタート。スタッフが見送ってくれます。自転車は軽車両なので、車道の端の自転車専用ゾーンを走ります。
参勤交代で大名行列が通った歴史ある道を、地元の高校生たちと同じように軽快に走り、気に入ったお店があれば気軽に立ち寄ります。一般社団法人イドベタの拠点『めぐるラボ』で、環境に配慮した商品をチェック。
田畑や櫻井神社など自然・歴史スポットを満喫
伊牟田交差点の近くにはカフェや雑貨店、レンタサイクルの貸し出し場所などもあります。伊牟田バス停から有名な夫婦岩まで徒歩30分なので、ここで自転車を借りる人もいます。
交通量の多い車道ではなく、ほとんど車の通らない道を選べるのもサイクリングの魅力の一つ。糸島には田んぼの中の一本道もあり、鳥の声や風、陽光を楽しみながらペダルをこぐことができます。CO2を排出しない電動自転車なので、環境に負荷を与えず自然を満喫。気の向くままに自転車を降りて散策し、名も知らぬ野の花を愛でる人もいます。
江戸時代初期に福岡藩2代藩主・黒田忠之公によって建立された櫻井神社は、令和5年に本殿・拝殿・楼門が国の重要文化財に指定されました。本殿は17世紀の創建で、極彩色の彫刻など見応え充分です。縁結びの神様ですが、人気なのは「櫻井勝守」。必勝祈願のお守りですが、「櫻井ショウ守」として嵐ファンに好評です。福岡県内の二宮神社や潤神社と合わせて、嵐のファンが聖地巡礼をすることで人気が出ました。
夫婦岩のある海沿いを走る心地よさ!
櫻井神社の宇良宮(うらのみや)としてお祀りしてあるのが夫婦岩です。海岸から150m沖に大きな岩が2つ鎮座し、しめ縄で結ばれています。向かって右が男神の伊邪那岐命(いざなぎのみこと)、左が女神の伊邪那美命(いざなみのみこと)が鎮まっている御神体岩なのです。夏至になると、三重県の伊勢二見ヶ浦の夫婦岩の中心から朝日が昇り、福岡県の櫻井二見ヶ浦の夫婦岩の中心へ夕日が沈みます。古代の人も夫婦円満を祈願したのでしょうか。
日の出前と日の入り後には、空が濃いブルーや紫に染まり、「ブルーアワー」と呼ばれる神秘的な光景を目の当たりにすることができます。「日本の渚100選」「日本の夕日100選」にも選ばれた絶景スポットで、カフェやレストランが多数あります。
結構長い距離を自転車で移動し、登り坂もあるので、女性にはきついのではないかと尋ねると「電動だから楽です!」「こぐのが気持ちいい!」と笑顔で応えてくれました。いかにもサイクリング用というヘルメットだけではなく、帽子にしか見えないヘルメットもあり、オシャレな女性でも利用しやすくなっています。
海沿いをトゥクトゥクで走る若者を発見。糸島市観光協会の電動トゥクトゥク(黒)は、90分7,000円、1日貸切20,000円。普通自動車運運転免許で3名まで乗車できます。3時間12,000円なので、3名で割れば4,000円で3時間。ガソリンを満タンにする必要もありません。
電動自転車や電動トゥクトゥクなどCO2を排出しない移動手段を活用して、サステナブルな旅を楽しみましょう。